~卓球バレーを通じて広がる世界~ ★影山 勇夫さん★

「いやぁ、いやぁ、ありがとうございます。」そう言いながら満面の笑顔で、か~こに声をかけてくれたのは、今回の主役影山勇夫さん(越谷市在住)です。

影山さんは2012年に障がい者スポーツ指導員の初級を、また2016年には中級を取得しました。現在は埼玉県障がい者スポーツ指導者協議会の理事、地域支援連絡会(県東南部)の代表幹事もしていらっしゃいます。

さて、指導員を取得したきっかけをお聞きするとこんなことを話してくれました。 「当時うちの会社は65歳まで働くことができたのだけれど、たまたま周りの人が体調をくずしたり、辞めたり、亡くなったりと続いたのを見て、これからは自分の人生を楽しみたいと思い60歳になったときに退職したんだよね。昔からスポーツが大好きだったので、近所の人から越谷市でスポーツ推進委員を募集しているから受けてみないかと教えてもらいすぐ応募。論文と面接にパスして推進委員になり、市民の人たちへのスポーツの普及などに携わっていたんだ。そのうち2011年にスポーツ基本法の制定があり(障がいのあるなしに関わらずスポーツを楽しむ権利がその中で保障された)、越谷市はスポーツ推進員の中から障がい者スポーツ指導員になる人を募り、そのときに手を挙げたというわけ。」越谷のスポーツ推進委員30人のうち7人が指導員になったそうです。

2012年8月に指導員になった影山さんは当初交流センターで障がい者へのボランティアをしていましたが、用具の準備片付けや駐車場整理など、なかなか障がい者の事業への「参画」ができずにいたそうです。

その年、埼玉県障がい者スポーツ指導者協議会で地域支援連絡会が立ちあがり、県の東南部(5市一町:越谷市、草加市、吉川市、八潮市、三郷市、松伏町)が発足しました。身近なところで事業があり活動できる!そう思った影山さんは持ち前の明るさとパワーで飛び込みます。早速『草加パリポリレクリエーションの集い』の実行委員会に入り、他の指導員や育成会の方々と手作りで大会を立ち上げました。この時とても楽しく、よしやるぞとモチベーションがさらにアップしたそうです。

今は会社にいる時よりも忙しいとおっしゃる影山さんですが、現在力を入れている競技は、2013年3月東京立川で行われたニュースポーツEXPOで出会った卓球バレーです。現在埼玉県卓球バレー協会の審判部長であり日本卓球バレー連盟の公認審査員も務めていて、審判員の認定、フォローアップ、県内外での普及活動などを行っています。東南部での活動が多いのですが、今年5月からは県西部の東松山市でも卓球バレーの教室が始まり、県内での広がりを見せています。

「卓球バレーは、障害のある人もない人も同じテーブルで行えるスポーツ。まさにユニバーサルスポーツ、それが魅力」そう熱く語ってくれました。

昨年10月の全スポには審判員として岩手に参加、また今年は6月に卓球バレーの本場京都の大会に参加し、岩手・京都のみならず、卓球バレーを通じ、宮城、秋田、茨城、大分・・・とトップクラスの審判員や指導者、たくさんの方々との交流を広げ、ご自身の世界を広げている影山さん、お話を聞いているか~こにも元気があふれてきます。

これからやりたいことが3つあるそうです。

1つは5市1町のうちまだ三郷市で障がい者スポーツの事業協力がないので、三郷の方々と協力しあって何らかの形で立ち上げたいということ。2つ目は東南部の登録者が125人いるそうですが、実際に事業に関わって出てくださる方は1~2割とのこと。もっとたくさんの方に参加してもらえるようにしたい。そして3つ目は、スポーツといっても競技だけでなく、例えばダンスなども入れられないか、草加パリポリレクリエーションの集いではよさこいをやるそうですが子どもたちがとっても楽しそうに一緒に踊っている姿をみると子どもたちが喜んでくれるものを取り入れていきたいと考えているそうです。

最後に、影山さんから、障がい者スポーツ指導員を新たに取った方へのメッセージをお願いしました。「まず一歩踏み出して事業に参加してみてください。現場だからこそわかることがたくさんあります。何よりも障がいのある方々の楽しそうな姿、そしてその保護者の方々のびっくりするほど明るく元気な姿からパワーをいただけ、教わることがたくさんあります。ぜひ一度いらしてください。」

終始笑顔で、ポジティブな影山さん!これからもがんばってくださいね。そうそう「忘れ物大魔王」というあだ名のついている影山さんは、ちょっぴりお茶目だったことも付け加えます(笑)

(取材:佐伯加寿美)