NO. 97 道具やルールを工夫すれば世界は変わる

平成26年7月5日。子どもたちの声が体育館に響き渡り、いきなり元気をもらいました。いつもの障がい者スポーツ事業とは違う雰囲気に包まれながら、草加市スポーツ健康都市記念体育館で障がい者スポーツフェスタが始まりました。集まったのは、障害のある子どもと健常の子どもを中心に125人。

草加市体育協会が主催し、本協議会とNPO法人パラリンピックキャラバンが協力しました。種目は車いすバスケ、ボッチャ、卓球バレー、フライングディスク、風船バレーの5種目。草加市体育協会ではバスケ車を10台購入し、車いすバスケに力を入れています。この事業のために、埼玉県障害者交流センターを始め多方面からバスケ車を借り、40台以上揃えたのは、担当者のK氏。昨年、初級障害者スポーツ指導員を取得したフレッシュマンです。

健常の子どもたちはバスケ車が大好きです。交代で乗ってと最初に話したのですが、なかなか降りようとしません。車いすバスケ以外の種目の時は、降りて体験するよう話しても、バスケ車に乗ったまま体験をしたがります。ちょっと目を離すと、体育館いっぱい走り回り、うれしそうに笑っています。

そんな光景を見ていたお母さんのつぶやきが心に残っています。

「息子は普通学校に通っていますが、車いすなので体育はいつも見学です。運動会も、徒競走では1人きりで(車いすで)走り、寂しくゴールテープを切っています。でも今日は、こんなにたくさんのお友達と車椅子で遊んでいて、とても楽しそうです。」

閉会式でこんな言葉を贈りました。

「今日、皆さんは道具やルールを工夫すれば、障害のあるお友達と同じゲームを楽しめることを学びました。学校やお家でも、今日の体験を思い出して、どんな工夫をすれば、誰もが一緒に生きていけるかを考えられる人になってください。」

(県東南部 荘子敏一)